配信用カメラのレンズは何mm?デスクの距離から焦点距離を計算する方法
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目次
結論:顔の写り方を決めるのは、レンズの種類ではなくカメラとの距離です。デスクでは距離が先に決まるので、その距離で映したい幅に収まる焦点距離を選びます。
- 式(目安):焦点距離 ≒ センサーの横幅 × 距離 ÷ 映したい横幅
- マイクロフォーサーズ(LUMIX G100D・YoloCam S7):25mm前後 → LUMIX G 25mm F1.7
- ソニーのAPS-C(ZV-E10M2):32.6mm → Sony E 35mm F1.8 OSS(SEL35F18)
- ニコンのDX(Z30):32.9mm → キットの16-50mmで合わせられる
- 固定レンズ(Osmo Pocket 3・ZV-1F):レンズは替えられないので、距離で調整する
レンズでもう失敗したくない人へ
「せっかくカメラを買ったのに、映った顔がなんだか横に広い」 「キットレンズが悪いのか、それとも単焦点を買い足すべきなのか」 「でもレンズを買って、また思ったように映らなかったらどうしよう」
カメラ本体を選ぶところまではたどり着いたのに、今度はレンズの前で止まっていませんか。レンズは、気軽に買い直せる値段のものではありません。しかも「配信には何mm」という答えは、25mmのときもあれば35mmのときもあって、どれが自分のカメラに当てはまるのかが分からない。迷うのは当然で、焦点距離の答えは、カメラのセンサーの大きさと机の距離(奥行き)で決まるからです。レンズの数字だけを見ても、自分のカメラの答えは出てきません。
僕はNikon ZfとOsmo Pocket 3を持っていますが、この記事の数字は全部、メーカーの仕様と計算から出しています。
そのうえで、先に一番大事なことを書きます。焦点距離は、1本の式で自分の机から計算できます。 必要なのは、机からカメラまでの距離、映したい横幅、そしてメーカーの仕様表に載っているセンサーの横幅の3つだけ。この記事では、まず「顔の写り方は何で決まるのか」をニコンの解説で押さえて、それから式と計算、縦配信のときの計算、カメラの型ごとの答えの順に詰めていきますね。
顔の写り方を決めるのは距離:ニコンの解説から
まず、焦点距離と写る範囲の関係です。ニコンはこう書いています。
「焦点距離の短いレンズほど画角が広くなり、写る範囲が広がります。」
ここまでは「短い焦点距離=広く写る」というだけの話です。大事なのは、その次の解説です。
「広角レンズなら被写体にグッと近づき、望遠レンズなら被写体から離れることで被写体を一定の大きさに写すことができます。このように、被写体とカメラの距離を変えれば、被写体を同じ大きさに写すことができますが、背景の写り方は変わってきます。」
つまり、顔の歪みや背景の写り方を変えている物理的な要因は、カメラと被写体の距離なんです。広角レンズで顔を大きく映そうとすればカメラを物理的に近づけることになって、望遠寄りのレンズなら離れたまま同じ大きさに映せる。同じ大きさに映っていても、距離が違えば背景の写り方は変わる、とニコンは書いています。
ここでデスク配信の事情が効いてきます。机の上では、カメラを好きなだけ後ろに下げることができません。モニターの位置、キーボードの位置、壁までの奥行きで、距離はだいたい先に決まってしまう。ということは、距離が決まっている以上、選べるのは「その距離で、映したい幅がちょうど収まる焦点距離」です。レンズ選びは、好みの問題ではなく距離から逆算する作業になります。
焦点距離の計算式と、デスク70cmでの計算例
使う式はこれです。
焦点距離 ≒ センサーの横幅 × 距離 ÷ 映したい横幅
レンズの中で光がつくる三角形と、レンズの前の三角形が同じ形になる(相似)、という光学的な関係を使った近似です。あくまで目安で、レンズの設計や撮り方で実際の映り方は少し変わります。それでも「何mmあたりを選べばいいか」を決める目安としては十分使えます。
ここでは基準の例として、カメラから顔までの距離を70cm、横向きの画面に映したい横幅を50cmとして計算します。どちらも例の値なので、自分の机の数字はあとの手順で入れ替えてください。
| カメラ | センサーの横幅(メーカー) | 計算 | 結果(目安) |
|---|---|---|---|
| Nikon Z30(DX) | 23.5mm | 23.5×70÷50 | 32.9mm |
| Sony ZV-E10M2(APS-C) | 23.3mm | 23.3×70÷50 | 32.6mm |
| 35mm判(フルサイズ) | 36mm | 36×70÷50 | 50.4mm相当 |
ZV-E10M2のセンサーの横幅は、ソニーの仕様表では23.3mmです。だから計算の答えは32.6mmになります。さらに言うと、同じAPS-CでもニコンのZ30は23.5mmで32.9mm。わずかな差ですが、仕様表の数字で計算するのが正確です。36mmは、35mm判の横幅として慣例で使われる値です。
マイクロフォーサーズは35mm判換算で計算する
マイクロフォーサーズのセンサーの横幅は、今回メーカーのページから数字を取れていません。なので、ここは35mm判換算で計算します。
パナソニックは、LUMIX G 25mm F1.7の焦点距離を「25mm(50mm:35mm判換算)」と書いています。25mmが50mm相当、つまり換算の倍率は2倍です。上の表で35mm判の答えは50.4mm相当だったので、2倍で割るとマイクロフォーサーズでは25mm前後になります。
しかも、同じやり方をソニーのAPS-Cにも当てはめられます。ソニーはSEL35F18の「焦点距離イメージ」を52.5mmと書いているので、35mmが52.5mm相当、倍率は1.5倍です。50.4mm相当を1.5倍で割ると、APS-Cでは33.6mm前後。センサーの横幅から直接出した32.6mmとは少しずれますが、これは1.5倍が丸めた倍率だからです。どちらの出し方で計算しても、答えは35mmの近くに来ます。
縦配信(TikTok)でカメラを回したときの計算
TikTok LIVEのように縦の画面で配信するとき、カメラを90度回して縦に構えることがあります。このとき、式に入れる数字が変わります。
カメラを縦にすると、画面の横幅をつくるのはセンサーの短い辺です。なので、縦で計算するときはセンサーの短い辺を入れます。
- Nikon Z30:15.7mm
- Sony ZV-E10M2:15.5mm
たとえばZ30で、距離70cm、縦の画面に映したい横幅を35cmにすると、15.7×70÷35=31.4mmです。
ここで注意してほしいのは、「縦だから焦点距離はこう変わる」と向きだけで決まるわけではないことです。答えは、短い辺の長さと、縦の画面でどれだけの横幅を映したいかで決まります。映したい横幅を狭くすれば数字は大きくなるし、広くすれば小さくなる。縦に回したら、短い辺で計算し直す。これだけ覚えておけば迷いません。
ミラーレスで縦配信を組むときの注意はミラーレスでTikTok LIVEを縦配信する3つの壁にまとめています。
目的別に選ぶ:カメラの型ごとのレンズ
価格は2026年9月28日時点の税込価格です。価格.comはいちばん安い店の価格、Amazonは商品ページの表示価格で、どちらも変わるので買う前に確かめてください。
| カメラの型 | 計算の答え(70cm・横幅50cm) | 選ぶもの | 価格(2026年9月28日) |
|---|---|---|---|
| マイクロフォーサーズ(G100D・YoloCam S7) | 25mm前後 | LUMIX G 25mm F1.7 | 価格.com 23,800円 |
| ソニーのAPS-C(ZV-E10M2) | 32.6mm | Sony E 35mm F1.8 OSS(SEL35F18) | Amazon 51,300円 |
| ニコンのDX(Z30) | 32.9mm | キットの16-50mmで合わせる | Z30 16-50 VR レンズキット 価格.com 99,800円 |
| 固定レンズ(Pocket 3・ZV-1F) | — | レンズは替えられない | — |
マイクロフォーサーズ(G100D・YoloCam S7)なら:LUMIX G 25mm F1.7
こんな人:LUMIX G100DやYoloCam S7で配信していて、計算どおりの焦点距離の単焦点を1本持ちたい。
選ぶ1本:LUMIX G 25mm F1.7です。マイクロフォーサーズで机の前から配信するなら、この1本で決まりです。
理由
- パナソニックの仕様で「25mm(50mm:35mm判換算)」。計算で出た50.4mm相当に、ほぼそのまま重なります
- 最短撮影距離は0.25mなので、70cmの距離ならピントの合う範囲に収まります
- YoloCam S7については、国内の販売店が推奨レンズの例に「Lumix MFT 25mm F1.7(標準)」を挙げています
- 価格.comで23,800円(2026年9月28日)と、2万円台で収まります。質量は約125gです
注意点:Amazonでは2026年9月28日時点で新品の出品が無く、中古だけでした。なので、この記事ではAmazonのカードを置いていません。買うなら価格.comの店か、ほかの販売店で新品を確かめてください。
さらに言うと、G100Dのキットレンズは12-32mmなので、ズームを25mmに合わせれば計算どおりの画角はキットのままでも出せます。それでも25mm F1.7に替える意味は、F1.7という明るさです。絞りを開けるほど、背景はぼけます。
G100Dの標準ズームレンズキットは、価格.comで82,905円、Amazonで88,680円(2026年9月28日)です。G100DとYoloCam S7のどちらにするか、カメラ本体から迷っている人はG100DとYoloCam S7の比較を先に読んでください。
ソニーのAPS-C(ZV-E10M2)なら:Sony E 35mm F1.8 OSS(SEL35F18)
こんな人:ZV-E10M2で配信していて、机の前の距離に合った単焦点を選びたい。
選ぶ1本:Sony E 35mm F1.8 OSS(SEL35F18)です。ZV-E10M2に付ける配信用の単焦点なら、これにしてください。
理由
- ZV-E10M2のセンサーの横幅23.3mmで計算すると32.6mm。35mmはその近くの焦点距離です
- ソニーの仕様で「焦点距離イメージ」は52.5mm。35mm判の計算の50.4mm相当と近い画角になります
- 最短撮影距離は0.3mなので、70cmの距離ならピントの合う範囲に収まります
- レンズ内に手ブレ補正を積んでいます。質量は約154gです
注意点:価格はAmazonで51,300円、ソニーストアで58,300円(2026年9月28日)。5万円台と、25mm F1.7の倍以上の出費になります。だから、買う前に一度借りて自分の机で映りを確かめる手があります(このあと書きます)。
これからボディを買う人は、ZV-E10M2のボディが価格.comで107,000円、Amazonで117,000円(2026年9月28日)です。
ニコンのDX(Z30)なら:キットの16-50mmで32.9mmに合わせる
こんな人:Z30で配信している、またはこれからZ30を買う。
選ぶもの:Z30 16-50 VR レンズキットです。計算の答えの32.9mmは16-50mmの範囲に入っているので、ズームを32.9mmのあたりに合わせれば、机の前の距離に合った画角が出ます。
理由
- Z30のセンサーの横幅23.5mmで計算すると、70cm・横幅50cmで32.9mm。キットのズームの範囲の中です
- レンズキットは価格.comで99,800円、Amazonで104,499円(マーケットプレイス)。価格はどちらも2026年9月28日時点です。ボディとレンズがそろいます
注意点:ニコンの単焦点レンズは、今回この記事で仕様と価格を確かめていません。なので、Z30向けの特定の単焦点をここでは勧めません。まずはキットのズームで計算どおりの焦点距離に合わせて、それで足りるかを確かめるのが先です。Z30で配信する方法そのものはNikon Z30で配信する方法にまとめています。
固定レンズ(Osmo Pocket 3・ZV-1F)なら:レンズは替えず、距離で調整する
こんな人:DJI Osmo Pocket 3やソニーのZV-1Fのように、レンズを交換できないカメラで配信している。
答え:レンズは替えられないので、距離で調整します。
理由
- DJIはOsmo Pocket 3の焦点距離を「20 mm(35mm判換算)」、ソニーはZV-1Fを35mm判相当20mmと書いています
- 計算で出した70cm・横幅50cmの答えは50.4mm相当でした。20mm相当はそれよりずっと広い側なので、デスクの近い距離では自分のまわりまで広く写ります
注意点:顔を大きく映したくてカメラを近づければ、ニコンの解説のとおり写り方は変わります。広く写ることを活かして部屋ごと見せるのか、近づけて顔を大きくするのか。固定レンズのカメラでは、その判断を距離でやることになります。Webカメラも含めて顔を映すカメラを選び直したい人は配信用Webカメラのおすすめを見てください。
自分の机で焦点距離を計算する手順
ここまでの計算は、70cm・横幅50cmという例です。自分の机で出すなら、この3つを順に埋めてください。
- 距離を測る:カメラのレンズの位置から、座ったときの顔までの距離をメジャーで測ります
- 映したい横幅を決める:画面の横幅にどこまで入れたいか(顔と肩まで、上半身まで、手元まで)を、実際の長さで決めます
- センサーの横幅を入れる:メーカーの仕様表に載っているセンサーの大きさの、横の長さを使います。縦配信でカメラを回すなら短い辺です
あとは「センサーの横幅 × 距離 ÷ 映したい横幅」を計算して、出た数字にいちばん近い焦点距離のレンズを選ぶ。ズームレンズなら、その数字に合わせる。これで、他人の机の答えではなく、自分の机の答えが出ます。
仕様表にセンサーの横幅が載っていないカメラ(今回のマイクロフォーサーズのように)は、メーカーが書いている35mm判換算の倍率を使って、35mm判の答えを倍率で割ってください。出てくる数字はどれも目安なので、最後は実際に映して確かめるのが確実です。
買う前に借りて確かめる
計算で焦点距離は絞り込めます。それでも、5万円台のレンズを映りを見ずに買うのは躊躇して当然です。そう感じるなら、借りて自分の机で確かめる手があります。
計算の答えを実際の机で映してみて、納得してから買う。借りて試すのは遠回りではなく、次に本気で買うための準備です。
GooPassはカメラやレンズを借りられるサービスです。料金や借りられる期間は変わるので、ここでは書きません。借りたいレンズがあるかと条件は、GooPassのページで確かめてください。
GooPass でレンズを試すカメラ本体も含めて、買うか借りるかから考えたい人はカメラは買う?借りる?にまとめています。
よくある質問
Q1. キットレンズのままではダメですか?
ダメではありません。ズームレンズなら、計算で出した焦点距離に合わせればいいんです。G100Dのキットレンズは12-32mmなので25mmに、Z30のキットの16-50mmなら32.9mmのあたりに合わせられます。単焦点に替える意味は、画角ではなく明るさ(F値)のほうにあります。
Q2. 縦配信だと計算は変わりますか?
式は同じで、入れる数字が変わります。カメラを90度回して縦に構えるなら、センサーの短い辺(Z30なら15.7mm、ZV-E10M2なら15.5mm)で計算します。たとえばZ30で距離70cm・映したい横幅35cmなら31.4mmです。向きだけで長い・短いが決まるわけではなく、短い辺の長さと映したい横幅で決まります。
Q3. 明るいレンズ(F値の小さいレンズ)を選ぶと何が変わりますか?
絞りを開けるほど、背景はぼけます。F1.7やF1.8のレンズは、それだけ絞りを開けられるということです。配信に「このF値が正解」という決まった数字はないので、実際に映して、背景のぼけ方とピントの合い方を見ながら決めてください。
Q4. 固定レンズのカメラはどうすればいいですか?
レンズを替えられないので、距離で調整します。Osmo Pocket 3もZV-1Fも35mm判換算で20mmなので、デスクの近い距離では広く写ります。部屋ごと見せる配信ならそのまま活かせますし、顔を大きく映したいならカメラを近づけることになります。
まとめ:焦点距離は自分の机の距離から決める
もう一度、型ごとの答えを並べておきます(70cm・横幅50cmの目安)。
- マイクロフォーサーズ(G100D・YoloCam S7):25mm前後 → LUMIX G 25mm F1.7
- ソニーのAPS-C(ZV-E10M2):32.6mm → Sony E 35mm F1.8 OSS(SEL35F18)
- ニコンのDX(Z30):32.9mm → キットの16-50mmで合わせる
- 固定レンズ(Pocket 3・ZV-1F):レンズは替えず、距離で調整する
他人の机で出た「25mm」や「35mm」をそのまま買うより、自分の机の距離を測って1回計算するほうが確実です。
カメラ本体から選ぶ人はG100DとYoloCam S7の比較へ、Webカメラと比べたい人は配信用Webカメラのおすすめへ、配信機材を全体から組み立てたい人は配信機材のそろえ方へどうぞ。



