SM7BとSM7dBの違い|配信で買うならどっち?Shure公式の判断基準で答えます

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目次
  1. 届いた日に音が出ない失敗を避けるために
  2. SM7BとSM7dBの違いは、プリアンプを内蔵しているかどうか
  3. SM7Bに必要な「約60dB」のゲインとは
  4. SM7dBの注意点は+48Vのファンタム電源
  5. 総額の比較(2026年9月28日時点)
  6. タイプ別:あなたが買うべきマイク
  7. よくある質問
  8. まとめ

結論:

  • 初めての本格マイクで、配信に使うマイクは1本だけならSM7dB。
  • パワフルなインターフェースをもう持っている、または複数のマイクで同時に収録するならSM7B。
  • どちらもXLRマイクです。パソコンにつなぐには、インターフェースなどの機材が別に要ります。

届いた日に音が出ない失敗を避けるために

SM7BにするかSM7dBにするか。どちらを選んでも決して安い買い物ではないですし、絶対に選び間違えたくない、と思っていませんか。

しかも本当に怖いのは、「思っていた音とちょっと違った」といった音質の好みの問題ではなくて、楽しみに待っていた箱を開けてケーブルをつないだのに声が小さすぎて全然聞こえない、もっと言えばまったく鳴らない、という届いた当日にいきなり直面する事故のほうなんです。ネットで調べ始めると「XLR」「ゲイン」「ファンタム電源」と知らない専門用語が次から次へと出てきて、そこで完全に手が止まってしまっていませんか。

先に答えを言ってしまうと、この2本の決定的な違いは「プリアンプ(小さな電気信号を増幅する回路のことです)がマイクの中に入っているかどうか」、本当にこれだけなんです。そしてその違いが、そのまま「あなたの環境で、届いたその日にちゃんと鳴るかどうか」を真っ二つに分けます。

僕はTikTokでApex Mobileの配信を、TwitchでVTuberとしての配信をしてきました。ただ、SM7BもSM7dBも持っていません。なので、この記事に僕の使用感や個人的な体験談は一切出てきません。その代わりに、Shure公式の比較記事と製品ページに書かれている言葉だけを徹底的な根拠にして、あなたがどっちを買うべきなのかを型ごとに迷いなく言い切ります。


SM7BとSM7dBの違いは、プリアンプを内蔵しているかどうか

まず何よりも先に、開発元であるShure自身がこの2本の違いをどう要約しているかを見てください。公式の比較記事には、まさにこう並んでいます。

「SM7Bは、伝説的なブロードキャストサウンドで知られる王道マイク」 「SM7Bには、約60dB以上のクリーンなゲインが必要」 「SM7dBは、Shureが設計したプリアンプを内蔵」 「SM7dBは、SM7Bと追加のプリアンプを両方購入するよりも手頃」

これ、一文ずつじっくり読み解いていくと、話の中心はずっと「ゲイン」と「プリアンプ」なんですよ。マイクそのものの性格や音質の話なんて、実のところほとんど出てこないんです。

なぜかというと、声を拾う心臓部の構造が完全に同じだからです。Shureは公式に「SM7dBは、SM7Bとまったく同じ内部機構を使用しています。」とはっきり明記していて、さらに「オリジナルと同一のサウンド特性を実現しています。」とまで書いています。つまりSM7dBを選んだからといって、SM7B本来のサウンドをあきらめる必要はどこにもない、というのがメーカー自身の公式な説明なんです。

じゃあ見た目や大きさはどうなのか、という細かい部分も仕様を並べておきますね。SM7dBの仕様は、ダイナミック型(ムービングコイル方式)、指向性はカーディオイド、周波数特性は50Hz〜20kHzです。重さは837gで、ShureはSM7Bとほぼ同じ重さだと書いています。長さに関してもSM7Bより約1cm長いだけ。しかも箱の中には、口元に近づけて使うための大きめのウインドスクリーンと、3/8インチのスタンド用アダプターが最初から同梱されています(Shureの英語の解説記事より)。

だからこそ、選ぶときに見るべきなのは音の好みではありません。見るべき本質は、プリアンプをマイク本体の中に持つか、それとも外側の機材に持たせるか。そして自分の机の上に、その電気やゲインを出せる機材が揃っているかどうか、ただそれだけなんです。


SM7Bに必要な「約60dB」のゲインとは

ここがSM7Bを選ぶ上で絶対に避けて通れない、いちばん大事な核心です。Shureは公式にこう書いています。

「このアイコニックなマイクの実力を発揮させるためには、約60dBの追加ゲインが必要です。」

そもそも「ゲイン」というのは、マイクから出てくるごく小さな電気信号を、配信ソフトや録音ソフトで扱える音量レベルまで持ち上げる量のことです。そしてSM7Bは出力が小さいマイクなので、この持ち上げる量がたくさん要ります。Shureの公式記事にも「このダイナミックマイクの出力が低いことに困惑する人もいます」と、はっきり書かれています。

じゃあ、その約60dBという膨大なゲインはどこから調達するのか。Shureの答えは、SM7Bには「相当な電力を備えたインターフェースか、クリーンなゲインを提供するインラインプリアンプが必要」なんです。インターフェース側で一気に持ち上げるか、マイクとインターフェースの間に挟む機材で足すか、のどちらかしかありません。しかもShureは、単に持ち上げればいいとは言っておらず、わざわざ「クリーンな」ゲインと念を押して書いています(ノイズまで一緒に持ち上げては意味がないからです)。

なので、SM7Bの導入を考えているなら、購入前にやるべき作業はこれだけです。いま持っているインターフェースの仕様表や取扱説明書を開いて、マイク入力の最大ゲインが何dBなのかを必ず確かめてください。Shureが公式に提示している基準の数字は約60dBです。どの機種なら足りる、どの機種だと足りない、といった巷の話はShure自身も書いていないのでこの記事でも書きません。メーカーが公表している仕様表の数字を、自分の目で確認するのがいちばん確実です。

インターフェースそのものがまだ手元に無い人は、まず配信にオーディオインターフェースは必要?から読んでみてください。


SM7dBの注意点は+48Vのファンタム電源

SM7dBはプリアンプを最初から内蔵しているので、SM7Bで悩まされるゲイン問題はマイクの中で綺麗に片づきます。でもここに、仕様を見落とすと届いた日に詰んでしまう必須条件があります。Shureの製品ページの一文を、そのまま引用しますね。

「必要なのは、プリアンプを動作させる+48Vのファンタム電源を供給するインターフェースまたはミキサーだけ。」

そう、内蔵プリアンプはアクティブな電子回路なので、動かすには電気が要るんです。その駆動用の電気を、XLRケーブル経由でインターフェースやミキサーから送る仕組みが「+48V」のファンタム電源です。逆に言うと、+48Vを出せない機材につないでしまうと、SM7dB最大の強みである内蔵プリアンプがそもそも動きません。SM7dBを選ぶなら、つなぐ先の機材に+48Vの給電機能があるかを必ず確かめてください。

そして、手元に届いたら設定することになるマイクの物理スイッチです。内蔵プリアンプは+18dBと+28dBを切り替えられて、さらにプリアンプ回路をスルーするバイパスもあります。

どっちに合わせればいいのか迷うかもしれませんが、Shureの英語の解説記事では、ポッドキャストや小さめの声の録音には+28dBをフルで使い、ギターアンプやスネアのような大音量の楽器収音には+18dBかバイパスを使う、と明確に説明しています。配信でしゃべる生声はまさに前者ですから、Shureの基準に沿えば、声の配信は+28dBです。

さらに言うと、プリアンプが要らない環境になったときはスイッチをバイパスに切り替えれば元のSM7Bの性能に戻る、とShureの製品ページに明記されています。つまりSM7dBは、将来パワフルなインターフェースに買い替えたとしても、スイッチひとつでそのままSM7Bとして使い続けられるマイクなんです。


総額の比較(2026年9月28日時点)

SM7Bを選んで、足りないゲインを外付けのプリアンプ(Cloudlifter CL-1)で補う場合と、最初からプリアンプが入っているSM7dBを1本買う場合とで、実際にかかる金額を並べて比較しました。

構成Amazon(2026年9月28日・税込)価格.comの一番安い店(2026年9月28日・税込)
SM7dB 単体80,000円77,220円
SM7B64,500円59,799円
Cloudlifter CL-123,500円22,800円(価格.comの検索ページに出た楽天の価格)
SM7B+Cloudlifter CL-188,000円82,599円
SM7dBとの差SM7dBが8,000円安いSM7dBが5,379円安い
参考:YAMAHA AG03MK2(ホワイト)25,300円この記事では未確認

※価格は変わります。SM7B+Cloudlifter CL-1の構成は、マイクとCloudlifterをつなぐXLRケーブルがもう1本要ります。その1本ぶんは上の金額に入っていません。

マイク単体の価格だけを見て、「SM7dBは高い」と感じていませんか。でも足りないゲインを補う外付けプリアンプまで含めた全体の出費で見ると、どちらの売り場で計算してもSM7dBのほうが安く収まるんです。Shure自身も「始めたばかりの方は、SM7Bと外部プリアンプの両方を購入するよりも、SM7dBの方が手頃な価格になる場合があります。」とはっきり書いています。


タイプ別:あなたが買うべきマイク

初めての本格マイクで、マイクは1本だけの人:SM7dB

こんな人です。

  • 配信に使うマイクは1本だけ
  • これまでスマホやUSBマイクで配信していて、XLRマイクの導入は初めて
  • インターフェースのゲインが足りるかどうか、自信がない

あなたが迷わず選ぶべきマイクはSM7dBです。

理由は明確に3つあります。まず第1に、Shure公式がまさに「ストリーミングに必要なマイクが1本だけなのであれば、SM7dBが良いでしょう。」と名指しで勧めているからです。第2に、SM7Bに要る約60dBという膨大なゲインの問題を、マイク内部のプリアンプだけで綺麗に片づけられること。そして第3に、上の表のとおり、SM7B+Cloudlifter CL-1を揃えるよりもSM7dB単体のほうが総額で安く収まることです。しかも外付け機器を挟まないぶん、机の上の機材が1台少なくて済み、接続するケーブルも1本少なくて済みます。

注意点は、つなぐ先の機材に+48Vのファンタム電源が必要です。届いたらスイッチを+28dBに合わせます。

憧れのマイクだから、という熱量で選んでまったく構いません。届いたその日にしっかり鳴る構成が整っているなら、それだけで選ぶ理由は完璧です。

パワフルなインターフェースがある人、複数のマイクで収録する人:SM7B

こんな人です。

  • すでに、マイク入力のゲインに十分な余裕のあるインターフェースやミキサーを持っている
  • ゲストを呼ぶポッドキャストのように、何本ものマイクで同時に収録する

あなたが選ぶべきマイクは、王道の定番モデルであるSM7Bです。

理由もShureがはっきりと書いています。「パワフルなインターフェースをお持ちでしたら、SM7Bをお選びください。」。さらに「すでにオーディオセットアップに多額の投資を行っている場合は、明らかにオリジナルのSM7Bの方がより経済的な選択肢となります。」と続けて、「ゲストが複数いる形式のポッドキャストなど、複数のマイクで同時に何人もの録音を行う場合はこれが特に当てはまります。」とまで明記しているんです。

なぜ複数マイクの収録だとSM7Bなのか。プリアンプを内蔵しているぶん、SM7dBはマイク1本あたりの価格が上がります。ゲインを十分に出せる強力な機材がすでに机の上にあるなら、マイクを増やすたびにプリアンプ代を本数ぶん上乗せして払う経済的な理由がありません。

注意点は、先に書いた約60dBのゲイン要求です。手持ちの機材の仕様表で、マイク入力の最大ゲインを必ず確かめてから買ってください。

SM7Bを持っていて、ゲインが足りない人:Cloudlifter CL-1

こんな人です。

  • もうSM7Bを手元に持っている
  • インターフェースのゲインを上げても声が小さい

あなたが買い足すべきなのは、新しいマイクではなくCloudlifter CL-1です。SM7dBに買い替える必要はありません。

理由は、メーカー公称値として最大+25dBのクリーンなゲインを出せることです。メーカー自身が、SM7Bのような出力の小さいマイクの定番と書いている機材でもあります。メーカーの英語公式ページによると、Cloud社はこの技術をShure社にライセンス提供していて、それがSM7dBに使われています。ただし数字は同じではありません。CL-1は最大+25dB、SM7dBの内蔵プリアンプは+18dBか+28dBです。

注意点は2つあります。国内正規品の販売店の説明文に「本機はファンタム電源(48V)を必要とします」とあるので、インターフェース側から+48Vを給電する必要があります。それと、SM7BとCloudlifter CL-1の間をつなぐ中継用のXLRケーブルがもう1本要ります。

詳しくはSM7BにCloudlifterは必要?にまとめています。

インターフェースをまだ持っていない人:SM7dBとAG03MK2

こんな人です。

  • SM7dBを買うと決めた
  • XLRマイクをつなぐための機材を、まだ何も持っていない

あなたが一緒に揃えるべき機材はYAMAHA AG03MK2です。

理由は、SM7dBの駆動に必要な+48VをAG03MK2のCH1から出せることです。AG03MK2は3チャンネルのライブストリーミングミキサーで、CH1に+48Vのファンタム電源を備えています。SM7dBはCH1につなぎ、そのCH1から+48Vを送ります。+48Vを出す手順は、下の設定記事で確かめてください。

注意点として、この機材の組み合わせはあくまでプリアンプ内蔵のSM7dBを前提にした案内です。SM7Bと組み合わせた場合の動作について一次ソースで確かめられていない以上、この記事ではその組み合わせをセットとして勧めることはしません。

つなぎ方と初期設定の手順はAG03MK2の設定にまとめています。


よくある質問

SM7dBにCloudlifterは必要ですか?

必要ありません。Shureは比較記事で、SM7dBは内蔵プリアンプがどのXLR入力でも使えるだけのブーストを出せるので、追加のプリアンプや高価なインターフェースは要らない、と明確に説明しています。SM7dBにさらにCloudlifterを買い足して接続する必要はありません。

パソコンに直接つなげますか?

直接はつなげません。Shure公式も「ただし、どちらもXLRマイクロホンであることをお忘れなく。PCに直接接続する場合は、XLR入力を備えたインターフェースか、MVX2Uなどの何らかのXLR - USBアダプターが必要になります。」と注意を促しています。何を選べばいいかは配信にオーディオインターフェースは必要?を見てください。

声の配信以外にも使えますか?

使えます。ShureはSM7Bの製品ページで、用途を「ブロードキャスト、ミュージシャン、スタジオレコーディングなどの用途を問わず」と書いています。さらにSM7dBについても、ギターアンプやスネアのような大きな音には+18dBかバイパスを使う、とShureの解説記事にありますから、トーク配信だけでなく楽器の収音にも対応できます。

Amazonで売っているのは国内正規品ですか?

AmazonのSM7BとSM7dBの商品名には、どちらも「国内正規品/メーカー保証2年」と記載されています。この記事で客観的に確かめられたのは、販売ページのこの表記までです。見分け方のポイントはSM7Bの正規品の見分け方にまとめています。


まとめ

  • 初めての本格マイクで、配信に使うマイクは1本だけならSM7dB。+48Vが要り、声の配信は+28dBです。
  • パワフルなインターフェースがある、または複数のマイクで同時に収録するならSM7B。約60dBのゲインが要ります。
  • もうSM7Bを持っていてゲインが足りないなら、マイクを買い替えずにCloudlifter CL-1。
  • インターフェースをまだ持っていないなら、SM7dBとAG03MK2。+48VはCH1から出せます。

もしXLR機材の導入がどうしても大変そうだと感じたら、USBでもつなげるShure MV7+という選択もあります。ほかのマイクとも比べたい人は配信マイクのおすすめへ。SM7BもSM7dBもダイナミックマイクですから、買ったあとはマイクの位置の決め方で口元との距離を合わせてくださいね。