配信マイクの置き方と口との距離|ダイナミック5〜15cm・コンデンサー10〜20cmの根拠

この記事にはアフィリエイト広告(商品リンク)が含まれます。

目次
  1. 口との距離:ダイナミック5〜15cm、コンデンサー10〜20cm
  2. 近すぎる場合:近接効果で声がこもる
  3. マイクの向き:先端から話すか、横から話すか
  4. 吹かれ(ポップノイズ)の対策
  5. 机置きの振動・手の音とマイクアーム
  6. 置いたあとの調整:配信ソフトの音声設定
  7. よくある質問
  8. まとめ:マイクの型ごとの置き方

結論:配信マイクは、口に近いほど声に対して周りの雑音が小さくなります。距離の目安はRODEが出していて、ダイナミックマイクが口から5〜15cm、コンデンサーマイクが10〜20cmです。

  • ダイナミック(MV7+・SM7dB・AT2040USB など)→ 5〜15cm、先端を口に向ける
  • コンデンサー(AT2020USB-X・K683A・SoloCast 2 など)→ 10〜20cm、先端か横かは説明書で確かめる
  • 声がこもる → まず近すぎを疑って、少し離す
  • 吹かれる → ポップフィルター。それでも吹かれるなら、少し横から話す
  • 机置きで打鍵音や手の当たる音が入る → マイクアーム

マイクを買って、挿して、配信した。なのに「声がこもってる」「ちょっと小さい」と言われてしまった。

そのとき頭をよぎるのは、「機材を買い替えても良くならないなら、原因は自分の声のほうなんじゃないか」という怖さではありませんか。もう一本マイクを買い足すか、それともあきらめるか。その極端な二択しか見えなくなっているなら、ちょっと待ってください。その前に、まだ一度も疑っていない場所があります。マイクの置き方です。

これは気休めで言っているのではなくて、マイクメーカー自身がそう書いています。オーディオテクニカは、マイクアームの選び方を解説した記事の中で「マイクを使う上では、目的の音と周囲の雑音との比が重要になります。」と書いています。つまり音の良し悪しは、マイクの値段だけで決まる話ではなく、声と雑音の比で大きく変わるんです。しかもこの比は、置き方ひとつで動きます。口から遠ければ雑音の割合が上がり、近ければ下がる。高いマイクでも、遠くに置けばそのぶん比は悪くなります。

僕はTikTok(Apex Mobile)とTwitch(VTuber)で配信をしてきましたが、この記事に出てくるマイクとアームはどれも持っていないので、書くのはメーカーが出している数字と言葉だけです。RODE・オーディオテクニカ・Shureが書いていることで、距離・向き・吹かれ・振動を順番に片づけていきますね。


口との距離:ダイナミック5〜15cm、コンデンサー10〜20cm

最初に確かめるのは距離です。あなたのマイク、いま口から何cmのところにありますか? 測ったことがないなら、まずそこからです。

RODEは、配信向けのマイクの置き方をまとめた記事(How to position your microphone for streaming)で、距離の目安をマイクの型ごとに出しています。

  • ダイナミックマイク:口から5〜15cm(2〜6インチ)
  • コンデンサーマイク:口から10〜20cm(4〜8インチ)

なぜコンデンサーのほうが遠くていいのか? RODEの説明は、コンデンサーマイクは感度が高いので離して使ってよい、というものです。オーディオテクニカも、同じマイクアームの記事で自社のマイクを「感度が高く多少頭が動いても音量の変化が少ないコンデンサーマイクのAT2020」「周囲のノイズを拾いにくいダイナミックマイクのAT2040」と書き分けています。感度の高いコンデンサーは少し余裕を持たせて、ダイナミックは口元に寄せて使う。型によって距離の目安が違うのは、この感度の差があるからです。

さらに言うと、RODEはこの数字をあくまで出発点として出していて、声が低い人や、声や表現が大きい人は、もう少し離してみるように書いています。つまり5〜15cm・10〜20cmは、置いたら終わりの数字ではなく、そこから動かし始めるための数字です。

では、なぜ近いほうがいいのか。オーディオテクニカの記事は続けて、こう書いています。

「口元に近づけてセットし、声をより大きく入力することで、周囲の雑音が相対的に小さくなり、より明瞭な音声を届けることが出来ます。」

逆に遠いとどうなるか? RODEは、口とマイクの間が遠いと声が小さく入るので、ゲインを上げて補うことになり、そうすると不要な背景ノイズまで大きくなることがある、と書いています。ゲインは声だけを選んで持ち上げてくれるつまみではありません。上げれば、エアコンの音もキーボードの音も、声と一緒に上がります。遠くに置いた時点で、比はもう決まってしまうわけです。

型ごとに言い切ると、こうなります。

  • ダイナミック(MV7+・SM7dB・AT2040USB など)を使っているなら、口から5〜15cm。 感度がコンデンサーほど高くないので、口元に寄せてはじめて声がしっかり入ります
  • コンデンサー(AT2020USB-X・K683A・SoloCast 2 など)を使っているなら、口から10〜20cm。 感度が高いぶん、ダイナミックより少し離した位置から始めます
  • 声が低い・声が大きいと自覚があるなら、目安より少し離した位置から。 RODEがそう書いています

近すぎる場合:近接効果で声がこもる

じゃあ、近ければ近いほどいいのか? そうはならないのがマイクの面白いところで、ここで出てくるのが近接効果(マイクを近づけるほど低音が増える現象)です。

RODEは、マイクを口に近づけるほど声の低音が多く入る、と説明しています。しかも両側に落とし穴があって、遠すぎると細く薄い音に、近すぎるとブーミーでこもった音になりやすい、とも書いています。

ここがややこしいところなんです。「こもってる」と言われて、反射的にマイクをもっと口に寄せたとします。近接効果で低音はさらに増えるので、こもりを直すつもりの動きが、こもりを増やす方向に働くことがあります。

近接効果は、どんなマイクで起きるのか。Shureはマルチパターンマイクの解説記事(Multi-Pattern Microphones)で、近接効果をなくしたいときや吹かれを減らしたいときに無指向性のパターンを使う、と書いています。裏を返すと、近接効果は指向性のあるマイクで起きる性質だということです。

方式がダイナミックでも、単一指向性なら近接効果の話は関係あります。オーディオテクニカのマイクロホン用語集は、単一指向性を「前面の感度が高く、特定の方向を捉えるための指向性。」と定義しています。

こもったときにやることは1つです。目安の範囲の中で、少し離す。 ダイナミックなら5〜15cmの遠い側へ、コンデンサーなら10〜20cmの遠い側へ動かして、声がすっきりする位置を探してください。


マイクの向き:先端から話すか、横から話すか

距離を合わせたのに、まだ声が遠い感じがする。そんなときは、マイクのどこに向かって話しているかを確かめてください。縦長のマイクだから先端に向かって話せばいい、とは限らないんです。

RODEの説明では、ダイナミックマイクはエンドアドレスで、マイクの先端を口に向けて使います。一方でコンデンサーマイクはサイドアドレス、つまり横から話しかける作りのことが多い、と書いています。同じような形の筒でも、声を受ける面が先端なのか側面なのかで、向け方がまるで変わるわけです。

イメージのしかたもRODEが書いています。マイクのカプセルから円すいが伸びていると考えて、その円すいの中心に声を置く。そしてキーボード、椅子、エアコンのような音を出すものは、円すいの外に置く。

円すいの広さの目安として、Shureは、カーディオイド(単一指向性)マイクの有効な収音角度を131度と書いています。思っているより広い円すいなので、口だけでなく、口の先にあるキーボードまで円すいの中に入っていないか、一度マイクの位置から机を見てみてください。

ただし、RODEは、それでもエアコンの音や硬い面からの反射のような背景ノイズは拾いうる、とも書いています。向きで雑音をゼロにできるわけではなく、声を中心に置いて、雑音をなるべく外に出す、というところまでが向きでできることです。

  • ダイナミック(MV7+・SM7dB・AT2040USB など)なら、先端を口に向ける。 RODEの説明どおりのエンドアドレスの使い方です
  • コンデンサーなら、先端か横かを説明書かメーカーページで確かめる。 横から話す作りのことが多いからです。たとえばFIFINE K683Aは、先端で話すのか横から話すのか、メーカーページに書かれていません。書かれていない以上、ここでも決めつけません

吹かれ(ポップノイズ)の対策

「パ」や「ポ」のたびに、ボフッという音が入っていませんか? それが吹かれです。オーディオテクニカの用語集の定義はこうです。

風がマイクロホンに吹きかかったときに発生する「ボソボソ」や「ブフォ」といった雑音のこと。声の場合は「パピプペポ」などの破裂音のときに発生することが多く、ポップノイズとも呼ばれる。

RODEがいちばん簡単で効くと書いている対策は、ポップフィルター(ポップシールド)です。オーディオテクニカの用語集でも、ポップガードは「マイクロホンとの間に立ててポップノイズ(吹かれ)を軽減させるもの。」と説明されています。

ただし、同じ項目にはこう続きます。「ポップガードの素材や仕様によっては音質に影響が出る場合もあるので注意が必要。」なので、どれを挟んでも同じ、ではありません。挟んだら、挟む前と録り比べてください。

それでも吹かれるときの次の手が、真正面ではなく、少しだけ横に向けて話すことです。これもRODEが書いている方法で、角度の数字は出していません。少し横、が答えです。

ここで「近すぎるから吹かれる」と考えて大きく離したくなるかもしれませんが、離しすぎると、さっきの距離の話に戻ってゲインを上げることになります。順番は、ポップフィルター → 少し横、です。

ポップフィルターを立てる場所が机に無いなら、最初から本体に入っているマイクを選ぶ手があります。HyperX SoloCast 2は、HP公式の製品ページによると、USB-C接続のカーディオイド(単一指向性)のコンデンサーマイクで、ポップフィルターとショックマウントが本体に内蔵されています。しかもスタンドには3/8インチと5/8インチのネジ穴があって、マイクアームにも付けられます。

これから1本目を選ぶ段階で、机にポップフィルターを立てる余裕が無いなら、SoloCast 2で決まりです。 理由は、吹かれ対策(ポップフィルター)と振動対策(ショックマウント)が最初から本体に入っていて、あとでアームに移すときのネジ穴まで用意されているからです。Amazon価格は2026年9月28日時点で8,973円(税込・変動します)。コンデンサーなので、置く位置は口から10〜20cmが出発点です。


机置きの振動・手の音とマイクアーム

ゲームのクリックやタイピングのたびに、ゴトッという音が配信に乗っていませんか? マイクを机に直接置いているなら、原因の候補はそこにあります。

RODEは、マイクが動くとカプセルが振動を拾う、そしてキーボードを打つ机の振動でもそれが起きる、と書いています。マイクと机がつながっている限り、机を叩く振動はマイクに届くということです。

しかも机置きには、振動とは別の問題もあります。オーディオテクニカの記事はこう書いています。

「スタンドだと机の上のスペースを占有してしまいますし、マウス操作やキーボードの移動時に手が当たってしまい、それがノイズとして入ってしまう可能性もありますからね。」

さらに言うと、机置きのスタンドは置ける場所が机の上に限られます。口から5〜15cm・10〜20cmに寄せるには、机の上でマイクを手前に出すか、自分がマイクに近づくしかありません。この机置きの問題に対して、メーカーが挙げている道具がマイクアームです。RODEは、アームならマイクを好きな位置に置けて、ぶつかったときの衝撃を吸収する助けになる、と書いています。

振動の話で出てくるもう1つの部品がショックマウントです。オーディオテクニカの用語集の定義は「ゴムや樹脂などを介してマイクロホンを浮かせることで、床やケーブルからの振動ノイズがマイクロホン本体に伝わるのを遮断する。」です。SoloCast 2のように本体に入っているマイクもあります。

どのアームにするかは、机の天板の厚さと、予算で決まります。

FIFINE BM63オーディオテクニカ AT8700J
Amazon価格(2026年9月28日・税込)5,499円11,000円
耐荷重最大2kg2kg
付けられる机厚さ約61mm(2.4インチ)までテーブルクランプの最大開口50mm
ケーブルの留め方結束バンド(アーム内に通す溝はない)面ファスナー2本
そのほか—可動距離680mm・本体1,030g・ネジ5/8インチ

※価格は変動します。仕様はFIFINE公式ブログとオーディオテクニカの製品ページの記載です。

とにかく安く、机置きをやめたいならFIFINE BM63で決まりです。 5千円台で、耐荷重は最大2kg。しかもFIFINEによると厚さ約61mmまでの机に付くので、天板の厚い机でも候補から外れにくいのが強みです。ケーブルはアームの中を通さず、結束バンドで外側に留める作りなので、そこだけ見た目を割り切ってください。

国内メーカーのアームで、可動距離まで数字で確かめて選びたいならオーディオテクニカ AT8700Jです。 可動距離は680mmで、耐荷重は2kg、ネジは5/8インチ(SoloCast 2のスタンドにも5/8インチのネジ穴があります)。ただしテーブルクランプの最大開口は50mmなので、買う前に天板の厚さを測ってください。1万円ちょっとの予算で、メーカーが仕様をきっちり公開しているものを選びたい人向けです。

重いマイク(SM7dBやMV7+など)を載せる場合や、薄型のアームを探している場合も含めて、マイクアームの選び方はマイクアームのおすすめと選び方にまとめています。


置いたあとの調整:配信ソフトの音声設定

距離と向きが決まったら、最後に配信ソフト側で整えます。順番が逆にならないように、先に置き方、あとからソフト、です。置き方で声と雑音の比を良くしておけば、ソフトで削る雑音もそのぶん少なくて済みます。

TikTok LIVE Studioを使っているなら、公式ヘルプによると、マイクの設定に音量・ノイズ抑制・モノラルに変換する・音声オフセット・音声モニタリングの項目があります。まずは使っているマイクが選ばれているかを確かめて、音量とノイズ抑制を触ってください。

OBS Studioを使っているなら、公式のフィルターガイドにある音声フィルターが使えます。ノイズゲート(話していないときの背景ノイズを切る)、ノイズ抑制、コンプレッサー、リミッター、ゲインが揃っています。キーボードやエアコンの音が話していない間に聞こえるなら、まずノイズゲートからです。

ゲインは、話しながら少しずつ上げます。目盛りの正解の数字はメーカーも出していないので、ここでも数字は決めません。自分の声で録って聞き返して、大きすぎず小さすぎない位置で止めてください。


よくある質問

Q. マイクは遠くに置いて、足りない音量はあとからソフトで上げればいいのでは?

逆です。RODEは、口とマイクが遠いと声が小さく入り、ゲインを上げて補うと不要な背景ノイズまで大きくなることがある、と書いています。オーディオテクニカも、できるだけ口元に近い位置にセットするのが理想だと書いています。音量はソフトで足せても、遠くに置いたことで悪くなった声と雑音の比は、ゲインでは戻りません。

Q. マイクの角度は何度ずらせばいいですか?

角度の数字を出しているメーカーは、見つかりませんでした。RODEが書いているのは、吹かれるなら真正面ではなく少しだけ横に向けて話す、という方法です。Shureの131度は、カーディオイドマイクの有効な収音角度として書かれている数字で、口をどれだけずらすかの数字ではありません。答えは、少し横、です。

Q. 声がこもる・暗いと言われました。何を疑えばいいですか?

まず、近すぎないかを疑ってください。近接効果で、口に近づけるほど低音が多く入り、近すぎるとこもった音になりやすいとRODEは書いています。目安の範囲の中で少し離して、録り比べてください。配信アプリ側の設定や照明も含めて確かめたいなら、TikTok LIVEの声がこもる・映像が暗い原因と直し方にまとめています。


まとめ:マイクの型ごとの置き方

もう一度、型ごとにまとめます。

  • ダイナミック(MV7+・SM7dB・AT2040USB など):口から5〜15cm、先端を口に向ける
  • コンデンサー(AT2020USB-X・K683A・SoloCast 2 など):口から10〜20cm、先端か横かは説明書で確かめる
  • 声が低い・大きい:目安より少し離す
  • こもる:近すぎを疑って、少し離す
  • 吹かれる:ポップフィルター → それでもダメなら少し横から話す
  • 机置きで打鍵音・手の音が入る:マイクアームで机から離す

マイクを買ったのに良くならなかったとき、原因をいきなり自分の声に持っていく必要はありません。距離・向き・吹かれ・振動は、どれも置き方で動かせるところです。ここを全部片づけてから、それでも足りなければ、そのときはじめてマイクそのものを見直せばいい。

マイクそのものを選び直すなら、スマホ・PC・ゲーム・歌配信の型別にまとめた配信マイクのおすすめと選び方から入ってください。型ごとの具体例として、コンデンサーならAT2020USB-X レビュー、ダイナミックならSHURE MV7+ レビューがあります。