Shure MV7+ レビュー|USB-CとXLR両対応、MV7との違いと買う前の注意点
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目次
結論:MV7+は、USB-CとXLRの両方でつなげるダイナミックマイクです。Shureは前モデルMV7の「進化版」と位置づけています。ただし単体モデルの箱にスタンドは入っていないので、アームかスタンドは別に用意してください。
USBで手軽に始めるか、XLRの世界に入るか
配信マイクを探していると、どこかで「オーディオインターフェース」「XLR」「ゲイン(マイクの音量を増幅する仕組み)」という機材の専門用語にぶつかります。そこで「あ、これは自分には無理な世界だな」とブラウザのタブを閉じたくなったこと、ありませんか。
かといって、USBマイクで手軽に済ませてしまうと、あとから「やっぱりミキサーやインターフェースを導入したい」となった瞬間に買い直しになります。5万円近いマイクを買って「やっぱり違った、別の端子が必要だった」となる事態だけは避けたい。そうやって決めきれずに、比較記事のタブをいくつも開いたままスクロールし続けていませんか。
その迷いに対する答えが、MV7+というマイクです。USBとXLRの分かれ道に、ちょうど置かれた機材だからです。USB-Cで挿せば、パソコンにもスマホにもケーブル1本でそのままつながる。XLRで挿せば、本格的なミキサーやオーディオインターフェースの世界にもそのまま入っていける。しかも、その両方の出力を同時に使えます。片方で妥協しなくていいんです。
僕はTikTokでApex Mobileの配信を、TwitchではVTuberとしての配信をしてきました。ただ、このMV7+は持っていません。だからこの記事では、Shureの発表と公式の仕様だけで、買う前に知っておくべき判断材料を細かく並べていきます。
MV7からの変更点:端子と5つの新機能
まずは前モデルとの関係から細かく押さえていきます。Shureは公式発表の中で、MV7+をはっきりとこう説明しています。
「既存の MV7 ポッドキャストマイクロホンの進化版である【MV7+ポッドキャストマイクロホン】は、 XLR と USB 出力の両方を備え、接続端子が USB-C にモデルチェンジ。」
ここ、さらっと流してしまいがちですが、端子の刷新はかなり大きな変更点です。前モデルMV7の本体側のUSB端子はMicro-Bでした(Shureのアクセサリーページにも、MV7用としてMicro-B to USB-Aケーブルが記載されています)。それがMV7+になってUSB-Cへ変更された。つまり、USB-C端子を搭載したパソコンやスマホなら、変換アダプターを探さずに付属のケーブル1本でそのまま挿せるということです。
そのうえで、ShureはMV7から進化した新機能を5つ挙げています。ここが実に細かい。
- マルチカラーLEDタッチパネル:1680万色で光り、音声のレベルメーターとしても働きます。Shureの説明には「LEDパネルをタップするとすぐにミュートできます。」と明記されています。配信中に咳が出そうになった瞬間、配信ソフトの画面を探さずに本体のパネルを触るだけで音を遮断できるわけです
- リアルタイム・デノイザー:Shureの説明は「室内の環境ノイズを低減」です。名前のとおりリアルタイムで処理されるので、話しているその場でノイズにアプローチしてくれます
- Digital Popper Stopper(デジタルポップフィルター):Shureは「外付けのポップフィルターを付ける必要がなくなり」と書いています。口元からの吹かれ(破裂音の風)を防ぐために、マイクの前にあの丸い網を立てて視界を遮らなくていい、という話です
- 強化されたオートレベルモード:ここは言葉の定義に注意してください。オートレベルモード自体は前モデルのMV7にもありました。MV7+で起きたのは機能の「追加」ではなく「強化」です。Shureの公式説明は「距離、音量、空間検知に基づいてマイクゲインを調整」です。マイクとの距離や声の大きさに応じて、マイク側が自動でゲインをコントロールしてくれます
- リバーブ設定:空間の響きを付加する機能で、プレート、ホール、スタジオの3種類から選べます
さらに言うと、このデノイザー、ポップフィルター、オートレベル、リバーブという4つの機能は、Shureが「MV7+に内蔵された強力なDSP機能」と呼ぶ内部のデジタル音声処理プロセッサで動いています。Shure自身が「内蔵された」と書いているとおり、処理を受け持つのはパソコンのソフトではなくマイクの側です。この点が、あとで出てくるスマホ配信やアプリの話につながってきます。
USB-CとXLRのつなぎ方
MV7+の最大の特徴は、音声の出口が2系統用意されている点にあります。
USB-Cでつなぐ場合。MV7+の仕様には、調整可能なゲイン幅として0〜+36dBが明確に書かれています。つまり、マイクが拾った声を持ち上げる仕組み(プリアンプ回路)が、最初からマイク本体の内部にあるわけです。だからこそ、USB-Cケーブルでパソコンやスマホに直接挿す使い方なら、外付けのオーディオインターフェースを用意する必要がありません。しかも電源供給もUSBバス電源で動くため、ケーブル1本つなぐだけで電気と音声伝送の両方がまかなえます。さらに本体には3.5mmステレオミニジャックのヘッドホン出力端子があるので、自分の声をリアルタイムにイヤホンでモニタリングしながら話せます。
XLRでつなぐ場合。手持ちのオーディオインターフェースやミキサーにあるXLR端子へ挿せます。「いまはUSBケーブル1本で手軽に始めて、将来的に本格的なミキサーを買ったらXLR接続へ差し替える」という運用ができる。マイクそのものを買い直す必要がない、これこそが両刀の意味です。
しかも、Shureの公式解説ページにはこう書かれています。
「MV7+からは両方の出力を同時に使用でき、録音とストリーミングを同時に行う場合に便利です。」
片方の出口から配信ソフトへ声を流しながら、もう片方の出口からレコーダーへ音声を送って別トラックで録音を回せるということです。「配信アーカイブとは別に、声だけの元データを残しておきたい」というクリエイターにとって、この同時出力機能はそのまま強力な理由になります。
USBで手軽に入って、将来はXLRへそのまま先に進める。その道筋がマイク1本の中で最初から物理的につながっているので、「いまどちらの世界を選ぶべきか」を悩んで決めなくていいんです。
スマホで使う場合:MOTIV Mixと端子の確認
スマートフォンをメイン機材にして配信している人にとって、最も気になるのはここだと思います。
Shureは、MV7+の設定アプリである「MOTIV Mix」について、USB-C経由でパソコン、またはiOS/Androidのデバイスにつないだときに、内蔵DSPの機能を設定できると案内しています。設定できる項目は、オートレベルモード、デジタルポップフィルター、リアルタイム・デノイザー、トーンスライダー、リバーブ設定、コンプレッサー、リミッター、ハイパスフィルターです。つまり、パソコンを持っていなくても、USB-C端子を備えたスマホさえあれば、先ほど挙げた高度な新機能の設定までスマホの画面上だけで完結させられます。さらにMV7+は、Appleの規格に準拠したMFi認証も取得しています。
一方で、従来のLightning端子のiPhoneでの使い方については、Shureの公式発表には一切書かれていません。公式が仕様として書いていないので、この記事でも「いける」とは言いません。手元のiPhoneがLightning端子なら、購入する前にここを必ず確認してください。
使っているスマホの端子がUSB-C規格かどうか。スマホ配信の人がMV7+を選ぶときに見るべきなのは、まずそこです。
届いた日に困らないための準備
5万円近いマイクが届いて、箱を開けて、いざ机に置こうとして手がピタッと止まる。そんな事態を避けるために、箱の中身を先に確認しておきます。単体モデルの箱に入っている同梱物は、次のとおりです。
- MV7+本体
- USB-C - USB-Cケーブル(3m)
- クイックスタートガイド
- MOTIV Mixアプリ用のQRコード
- 5/8インチを3/8インチに変える変換ネジ
見てのとおり、スタンドは入っていません。MV7+の単体モデルを買ったら、設置用のアームかスタンドを別に用意する必要があります。Shure自身も解説ページで、スタンドについて「スタンドの選択(ブームスタンドやデスクトップスタンド)はあなた次第です。」と書き、続けてこう案内しています。
「すぐに使い始められる小型デスクトップスタンドが付属するキットもご用意しています。」
GatorのデスクトップスタンドがセットになったキットはShureの市場参考価格で49,500円(税込)です。
さらに言うと、DSPの設定を行う「MOTIV Mix」デスクトップアプリ(PC版)には動作条件があります。デスクトップアプリを使う条件は、OSがWindows10以上またはmacOS12以上、メモリは最低8GBです。古いパソコンで使う予定の人は、マイクを買う前にここも先に見ておいてください。
仕様と価格
Shureの公式発表に載っている仕様と、2026年9月28日時点の価格をまとめます。
| 項目 | MV7+ |
|---|---|
| 型式 | ダイナミック型(ムービングコイル方式) |
| 指向性 | 単一指向性(カーディオイド) |
| A/D | 16または24ビット、44.1または48kHz |
| 周波数特性 | 50Hz〜16,000Hz |
| 調整可能なゲイン幅 | 0〜+36dB |
| USBの最大SPL | 128dBSPL |
| ヘッドホン出力 | 3.5mmステレオミニジャック |
| 電源 | USBバス電源 |
| 出力 | USB-C/XLR |
| 認証 | MFi認証取得済 |
| 重量 | 573.5g |
| 発売 | ブラック 2024年4月10日/ホワイト 2024年6月 |
| 市場参考価格(税込) | 46,200円(スタンド付きキット 49,500円) |
| Amazon価格(2026年9月28日・税込) | ブラック 47,000円/ホワイト 47,000円 |
| 価格.com最安(2026年9月28日・税込) | ブラック 46,530円 |
※価格は変動します。購入前に販売ページで確認してください。
MV7+にするか、ほかのマイクにするか
読者の型ごとに言い切ります。先に、比べる3つのマイクの違いを並べておきます。
| MV7+ | AT2040USB | SM7dB | |
|---|---|---|---|
| つなぎ方 | USB-CとXLRの両方 | USB Type-Cのみ | XLRのみ |
| マイクの中にあるもの | ゲイン0〜+36dB、DSP | ローカット80Hz | プリアンプ最大+28dB |
| 別に要るもの | アームかスタンド | 卓上スタンド | +48Vを出すインターフェースかミキサー |
| Amazon価格(2026年9月28日) | 47,000円 | 22,000円 | 80,000円 |
USBで今すぐ始めて、いずれXLRにも進みたい人
こんな人:今はパソコンやスマホに挿すだけで手軽に始めたい。でも、配信が続いたらミキサーやインターフェースも使って本格的な環境にステップアップしたい。
MV7+で決まりです。 理由は、Shureが書いているとおり「XLR と USB 出力の両方を備え」ているからです。USB-Cで始めて、あとからXLRに差し替えても、マイク本体はそのまま使い続けられます。しかも両方の出力を同時に使えるので、配信しながら別系統で録音する使い方まで1本でこなせます。将来を見据えて選ぶなら、間違いなくこれです。
注意:単体モデルの箱にスタンドは入っていません。アームかスタンドも一緒に用意してください。
色はブラックとホワイトがあり、Amazon価格はどちらも47,000円と同じです(2026年9月28日時点)。デスク周りや画面のトーンに合う方を選んでください。
USB-Cのスマホでも配信する人
こんな人:配信の中心はスマホ。パソコンは持っていないか、あまり使わない。
これもMV7+です。 理由は、設定アプリのMOTIV MixがUSB-CでつないだiOS/Androidのデバイスで使えるとShureが案内しているからです。デノイザーや強化されたオートレベルモードの設定まで、スマホの画面の中で完結します。MFi認証も取得しています。
注意:Lightning端子のiPhoneでの使い方は、Shureの発表には書かれていません。手元のスマホの端子がUSB-C規格かどうかを先に確認してください。
2万円台で済ませたい、USBだけで十分な人
こんな人:XLRに進む予定は無い。パソコンにUSBで挿して、声がちゃんと乗ればいい。予算は2万円台に収めたい。
AT2040USBにしてください。 理由は、同じダイナミック型で、指向性は周囲の音を拾いにくいハイパーカーディオイド(超単一指向性)、余分な低域をカットするローカット80Hzも付いていて、Amazon価格は22,000円(2026年9月28日時点)だからです。記録は16bit/24bit、最大96kHzの録音に対応しています。
注意:端子はUSB Type-Cだけで、XLRはありません。いずれXLRに進みたくなったら買い直しになります。重さは約600gで、卓上スタンドは付いていません。MV7+と同じく、アームかスタンドを別に用意してください。
XLRだけでいい、これを最後のマイクにしたい人
こんな人:USBの手軽さは要らない。最初からミキサーかインターフェースで組む前提で、マイクはこれで終わりにしたい。
SM7dBを選んでください。 理由は、最大+28dBのプリアンプを中に持っているからです。声を持ち上げる仕組みがマイク側にあるので、XLRで組む人が長く使う前提の1本として選べます。
注意:SM7dBはXLRだけです。そして内蔵プリアンプを動かすには、+48Vのファンタム電源を出せるインターフェースかミキサーが要ります。USBでパソコンやスマホに直接挿すことはできません。SM7Bとの違いはSM7BとSM7dBはどう違う?で詳しく比べています。
MV7+と一緒に用意するアーム
MV7+の単体モデルにはスタンドが入っていないので、アームを付けるならAT8700Jが合います。理由は数字で説明できて、AT8700Jの耐荷重は2kg、ネジは5/8インチです。MV7+は573.5gで、ネジも5/8インチなので、変換ネジを使わずにそのまま付けられます。Amazon価格は11,000円(2026年9月28日時点)です。
ほかのアームとも比べたい人はマイクアームのおすすめで選び方をまとめています。
よくある質問
Q. MV7とMV7+で、音は変わりましたか?
MV7と比べて音がどうなったのかは、Shureの発表には書かれていません。Shureが公式に書いているのは「MV7+は、アイコニックなSM7のあたたかみのあるブロードキャストトーンを継承しています。」という一文です。変わったと公式に書かれているのは、端子(Micro-BからUSB-C)と、先に紹介した5つの新機能です。
Q. オーディオインターフェースは要りますか?
USB-Cでつなぐなら要りません。マイクの中に0〜+36dBのゲインがあり、電源もUSBバス電源でまかなえます。XLRでつなぐ場合は、ミキサーかオーディオインターフェースが必要です。
Q. OBSで使えますか?
ShureのMV7+の製品ページには、OBS認証のマークがあります(ZoomとTeamsのバッジも並んでいます)。この認証で具体的に何が変わるのかは、製品ページには書かれていません。
Q. 保証はどうなっていますか?
Amazonの商品名には「国内正規品/メーカー保証2年」とあります(2026年9月28日時点)。保証の細かい条件は、購入前に販売ページで確認してください。
まとめ:型で選べば迷わない
最後にもう一度、型ごとの答えを並べます。
- USBで今すぐ始めて、いずれXLRにも進みたい → MV7+
- USB-Cのスマホでも配信する → MV7+
- 2万円台に収めたい、XLRは使わない → AT2040USB
- XLRだけでいい、これを最後のマイクにしたい → SM7dB
- MV7+のスタンド代わりに → AT8700J
5万円近いマイクを買うのは、「配信を続ける」と自分に約束することでもあります。その約束を、USBでもXLRでも守れる形にしておけるのがMV7+です。迷っている理由が「XLRの世界が分からない」なら、分からないままUSB-Cで始めて構いません。進みたくなった日に、同じマイクでその先に行けます。
ほかの配信マイクも含めて比べたい人は配信マイクのおすすめを、ダイナミックマイクを口元のどこに置くかは配信マイクの位置と距離を読んでみてください。




